COLUMN:代表佐藤真介のCI・ブランディング・企業戦略に関するコラム
2010-07-07
ツムラ→バスクリンへの社名変更から考える会社名一考察(後編)

前編からの続きです。

製品・商品・サービス名・ブランド名を社名にしてしまうリスクは、社名に事業が縛られてしまうことです。

わざわざ社名変更してまで、製品・サービス名を社名とするわけですから、当然、利用者や認知率は高くなります。

ということは、同時に顧客・世間が、その言葉(新社名)に対する特定のイメージを持っていることを意味します。

たとえば、mixiと聞くと、「SNS」「日記」「若者」「オレンジ色」などなど、皆さん特定のイメージを連想するはずです。

これは強みになる一方、(特に異分野の)他の事業を展開しにくくなるという弱みを抱えることにもつながります。

社内では「自社は○○なもの」という暗黙知が形成されてしまい新規事業の芽が育ちにくくなりますし、社外からもイメージと違う異質なものは受け入れられにくいわけです。

なんだかこんなこと言ってしまうと、製品・サービス名からの社名変更に否定的な感じになってしまいますが、これはあくまでリスクであって、解決策は存在します。

正面突破の例は、「富士フイルム」です。

富士フイルムは、ご存知フイルム・カメラメーカーですが、2008年に「アスタリフト」で化粧品に参入しました。化学製品であるフイルムと化粧品は真逆ですが、参入は成功しました。もちろん正面突破ですから、松田聖子さんと中島みゆきのCM等、力技で大々的に宣伝していましたね。

変化球は、「別会社」です。

異分野事業へ参入する際に別会社を立てて展開していく方法です。これはステルス(隠す)にするパターンもありますし、2社並列にしてその上にホールディングカンパニーを設けるなんていう選択肢もあります。じつは変化球といいつつ、こちらの方が現実的だったりします。

つらつらと述べてきましたが、私が社名変更のご相談を受ける際、いつも質問させていただいているのは、

「何を大切にするのか」

「どんな未来を描きたいのか」

です。それによって、社名をどうすべきなのかは変わってきます。

今日のポイント

・製品名・サービス名が知れ渡り、そちらに社名変更することは、ネーミングにとっては“めでたい”こと。

・製品名・サービス名を社名とすると、事業を縛られるリスクが発生する。

・このリスクを解消するには、正面突破と変化球がある。

代表フォト著者:佐藤真介
起業家~中小企業に対し、理念(CI)→戦略(経営戦略・事業企画)→戦術(マーケティング・各種クリエイティブ)までを一手にサポート可能な「クリエイティブファーム」代表です。詳しいプロフィールはこちら、弊社の事業領域はこちら

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